アニサキスは酒好き?! まさかの治療法?!
海岸沿いの町医者の男のところに電話があった。
患者の父親からだった。小学生の息子が、イカの刺身を食べて腹痛で苦しんでいるという。症状からアニサキスと思われた。
知られている治療としては、胃カメラを覗きながら一匹ずつ胃壁に噛み付いているのを引き剥がすのだ。気の遠くなるような作業が終わるまで激痛は続く。
男は、以前、ブランデーの水割りを飲んだら痛みが取れたという話を聞いたことがあった。子供なので、「スプーンに1~2杯なら」と試してみることを勧めた。もちろん、すぐに大きな病院へ行くことも。
父親から電話があった。「酒を飲ませたら痛くなくなった」という。一応病院へ連れて行ったが、アニサキスは一匹も見つからなかったそうである。
「酔っ払って、赤い顔で大病院に行っちゃったかも知れないけどな」と男は後で話していた。
漁師は船に酒瓶を積んで出かけるという。船を運転して陸に帰るのだから、ヘベレケになるわけにはいかないが、飲めない漁師も船上で刺身を食べたときは、大漁を祝って、少し口にするらしい。もしかしたら、昔の知恵で、アニサキス対策だったのではないだろうか。
結論:アニサキスは酒では死なないが、酒に酔う。すると胃壁を咬まなくなるので、腸へ運ばれ排泄される(のではないかと想像される)
症例が少ない上、証明もできないから、男は論文は書いていない。しかし、診療エピソードとして医師会雑誌に投稿したら、「興味深い」という意見と、「そんなことで治るわけない」という胃腸科医師からの反発を受けたそうである。
子供はその後、すっかり元気だそうだ。
時には目に見える科学だけでなく、長年の経験も見直してみてはどうだろうか。
(Photo: John's RX147 Hastings, England 1988 )
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年越しに食べた寿司にアニサキスが居たようで、正月から苦しめられ、病院に行っても処置してもらえず、悶絶しておりましたところ、このブログに辿りつき、
ブランデーベースの梅酒、それも80度のお湯で割り試しました。それから横になり、ムカムカして、吐き戻したら、一緒にアニサキスも出ていきました。
試してみるものだと思いました。
ありがとうございました!皆さん試してみる価値ありますよ
投稿: シゲサキス | 2019年1月 2日 (水) 11時59分
シゲサキスさん、コメントありがとうございます。吐いてしまったそうで、大変でしたね。私はアニサキスを見たことがないのですが、その後痛みはなくなったようで良かったです。お湯だとアルコール分が蒸発してしまいそうですが、効き目はあったのですね。
ブログは更新お休み中なのに、見てくださってありがとうございました!
投稿: Ray | 2019年6月23日 (日) 16時54分