« CGとジオラマが半端じゃない、ペドラルベス修道院 | トップページ | 曲がってるのがいいのだ、グエル別邸とミラーリュス邸石門 »

2012年10月24日 (水)

マルセルはなぜ勝てなかったか

Photo『トップ・シェフ』 シーズン2の革命児マルセル。シェフ同士が料理で競い合い、一人ずつ脱落して、最後の一人が報償を得るというドキュメンタリーだ。時にはグループに分かれて戦い、協調性も判断される。

マルセルはインタビューの時は笑顔で、人の悪口ばかり言うシェフがいるなか、ウマが合わない相手のことも、料理を尊敬し、前向きに考える男だった。
彼の何が気に入らないのか、メンバー全員を敵に回してしまう。
最終選考まで残っても、仲間に手伝ってもらうときにそれがネックになってしまった。

審査員は厨房内のいざこざに関しては大人な判断をしていたが、最終決戦で料理以外の内容を考慮しすぎた感がある。
比べものにならないほど、マルセルの料理を褒めまくっていたにもかかわらず、みんなの悪口を聞いてから「協調性、人間的成長が必要」と判断されてしまったのだ。

彼はメンバーの中で、最も大人だったように見えた。争いは好まず、色弱のメンバーの食材選びを唯一手伝おうとした人間だ。
言い換えれば、大人な距離を作りすぎたために、普通に話しているように見えても、メンバーたちには、この距離感が高飛車で意地悪に思えたのだろう。

また、彼は料理人にしてはハンサムすぎた。人好きのするイケメンではなく、古典的冷たさを放つ整った顔立ちだったのだ。笑顔でも上品すぎた。

マルセルは最後の料理を「人生最高の出来ではない」と言い切った。素晴らしい! 自分をよく見せようとする欧米では珍しい。「最高」は審査員を洗脳出来る可能性もあるのに。「いつももっと上を目指したいから(最高はもっと先にある)」と非常に成熟した考え方をしていた。
メンバーも審査員も、彼の超越した技術、料理に対する素晴らしい考え方、理想的な未来志向に、ついていけなかったのだ。

マルセルの何がいけなかったのか、それは距離感だろう。友達はいつでも作る気でいたほうがいい。彼らの長所をどんどん学び、精進するためにも壁は低いほうがいい。そして最後は人脈で人生が決まることもあるのだと、年とるにつれて感じるようになるのだから。

(写真:のりと大葉(しそ)のあさり入りパスタ。のりは、トップシェフシリーズで目隠しテイスト試験で出題された。欧米では洋食にはほとんど使われない)

« CGとジオラマが半端じゃない、ペドラルベス修道院 | トップページ | 曲がってるのがいいのだ、グエル別邸とミラーリュス邸石門 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

トップシェフ シーズン2が今Netflixで視聴できるのですが、やっと観終わりました
私も、マルセルってどんなに悪口言われても、激昂することなく笑顔で落ち着いて対処するし、良い子じゃんってずっとおもってました

そして俳優みたいにカッコいいし

それにひきかえ皆意地悪だなって、。。
ベティ超怖い。。
初めは、マルセルと一緒に働いたことがあるから、皆がどれだけマルセルを悪く言っても私は味方よ、とマルセルに人目のつかないところで言い寄っていた(?)エリアも、最終決戦間近になってから、マルセルの敵に、、、、、

私はずっとマルセル応援してました
ネチネチと嫌がらせをし含み笑いをする狡猾なイランに負けてがっかりです

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マルセルはなぜ勝てなかったか:

« CGとジオラマが半端じゃない、ペドラルベス修道院 | トップページ | 曲がってるのがいいのだ、グエル別邸とミラーリュス邸石門 »